10/18/2012

新たな「LINE」へ・展覧会最終日

 

10月6日に始まった展覧会も、あっという間に最終日を迎えました。

この3日間はたくさんのお客様で大賑わいの天王寺。

連休明けの最終日はのんびりムードの中オープンしました。

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落ち着いてじっくり作品と対話できるのもこの日が最後。
多くのお客様に観ていただいた3日間。
作品達も表情が変わってきたように思います。

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これまでの「LINE」とこれからの「LINE」。
しみじみとそんなことを考えていたら、お客様がチラホラ。

 

なんだか、皆さん熱心です。

 

お聞きすると、「友人のブログを読んだら『これは行かないと!』と思って。最終日に間に合って良かった!」(なんとも嬉しい^^)

 

「授業に遅刻したんで、この辺ぶらぶらしてたらこれがあったんでたまたま入りました。文字がもがいている!岡本太郎に通じます!!」
(う、嬉しい!けど、言われたことが大きすぎて、、
どど、どうしよう@_@;)

 

「私も古代文字書いてるの^^かわいいわよね〜」(ですよね〜^^)

 

他にも、オレゴンからいらっしゃった素敵なアーティストカップルの
AさんSさん。(「恵」と「藝」を書かせていただきました)

 

中国からの留学生、芸大生のW君。
(主宰・天遊と文字談義^^面白かった!)

 

忙しい仕事の合間に寄って下さったお客様や、
再度お友達と共に来てくれたお客様。

楽しいお客様がand More…

 

最終日はいつもよりもじっくりお話したり、お客様に文字を描いて体験してもらったりと、ゆっくり楽しんでいだいたように思います。

 

天遊組の展覧会は年に一度きり。

観にきていただいたお客様との一つの出会いが繋がり、
それが新しい「LINE」になるのだと感じずにはいられません。

 

天遊&天遊組 5周年記念展覧会「THE LINE」は、
おかげさまで無事に終了いたしました。

 

協力していただいた多くの方々、天王寺さん、ゲストの方々、
そしてご来場いただいたお客様に感謝を申し上げます。

 

もう来年に向けて、アイデアが飛び交っている天遊組。

また来年もお楽しみに。

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posted by IZUMI

 

 

10/17/2012

「THE LINE」8th Oct, 3rd Night “Talk & Live Performance”「能 宇宙と繋がるとき」- Report

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三日目のイベントは、重要無形文化財総合指定保持者の「宇高通成」先生を演者にお迎えしての”能舞ワークショプ”。 

秋の早い日没は、天王寺を闇に包み 夜風はひんやり肌に冷たく、私達組員は芝生の上に座り、緊張して先生をお待ちしました。 先生の関西なまり軽妙な話術で、たちまち私達の緊張はほぐれました。 

パイプのコレクションを先代の師匠から譲り受けたけれど、」ここ一週間は禁煙している話や、少年の頃のおそらく血のにじむような修行の話も、先生にかかるとひたむきに挑戦する少年のキラキラした瞳を彷彿とさせるようで、ほほえましいような印象さえ持ちました。 

先生に続いて謡の一節を全員で読み、それはあたかも読経のように夜空に響き渡り、次第に能の世界に導かれて行く感覚でした。 

シテ方唯一の‘能面作家“でもいらっしゃる先生は、自らお打ちになったお面をこともなげに“どなたかつけてみませんか?”(関西なまり)「エーッ、いいのー!」
ボランティアのご婦人は、ある組員の母上で面を通しての視野の狭さを実感され、「外がほとんど見えないので自分の内面に集中出来る気がします」と述べられました。

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能舞台での観客の視線は“面”一点に集中し、演者は“面”によって遮断された世界で意識はただひたすら自己の内的世界に向かいながら舞うのでしょう。

“面”はその場のすべての気を吸い取り、哀しさ、怒り、喜び、優しさなど、人間の想いを微細な動きで表し「静の中の動」「無の中の有」と言うのか、これこそ今や世界語ともなり、日本が誇れる“わび”“さび”の世界なんだなと納得し。数百年に渡って受け継がれてきた伝統の緻密で厳しい過程のすごさを、改めて示された感がありました。
“面“が顔に張り付いてとれなくなった男の話をふっと思いだし“面”の持つ力に魅了された夜でした。

最終章は、天遊さんの“書”のパフォーマンス。
まさに始まろうとしたその時、先生が「では私は、羽衣を」とおっしやいました。それは全く予期せぬ申し出でした。
天遊さんが座して静かに気を整えている背後から、端然と居住まいを正された先生の朗々とした“羽衣”があたかも天女に羽衣をまとわせ、天空を舞わせるがごとく思いやりに満ちて優しく響き、その響きの中で 天遊さんの“書“が舞いました。
まるで天女のように。

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あの夜の感動は忘れ得ぬものとして深く私の心に刻まれました。宇高先生は言うに及ばず、あの場所を共有してくださった皆様に深く感謝申し上げます。

本堂奥の阿弥陀如来が、私達人間の営みを静かに見守っておられるようで有りました。
阿弥陀様―宇高先生―天遊さんー観客の皆様―そして私達組員が 一つの“LINE”で結ばれたひとときとなりました。

このような時間と場が可能になったのは、ひとえに天王寺さんのご厚意よるものであり、深く深く感謝申し上げます。ありがとうございました。


Posted by Sachiko

 

 

10/15/2012

「THE LINE」7th Oct, 2nd Night “Special Live in Tennoji”「この星に生まれて」- Report

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展覧会2日目の夜は、原 順子さん、叶 央介さん、そして天遊さんによるトーク&ライブが開催されました。3人が知り合うきっかけとなったNYのイベントのお話から始まり、順子さんがインドに留学された時の事など楽しく聞いているうちに会場の雰囲気も和やかに。

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そして天王寺特有の穏やかな、それでいて凛とした透明な空気感の中、沖縄の子守歌からライブは始まりました。順子さんの深く問い掛けてくるような歌声と、寄り添うような央介さんの声に引き込まれて行く。

インド留学の時にお世話になった方達に作られ た “ ありがとう〟の気持ちがー溢れる一曲。。。

楽しい時間はあっと言う間に過ぎて行き、リクエストにお答え頂いた【アメージンググレイス】を最後にみんなで合唱。何度も繰り返しているうちに、展覧会のテーマ『THE LINE』を体現してる事に気付く。

今回の展覧会やイベントで繋がったLINEは、どんな展開をしてゆくのでしょうか?

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参加して下さったお客様を初め、皆様ありがとうございました。

Posted by 西

 

 

10/12/2012

「THE LINE」6th Oct, 1st Night “Talk & Live Performance”「数学は、美だ」- Report

こんにちは!!
2012年の展示もお陰様で無事終わりました。
沢山の方に足を運んでいただき、本当にありがとうございました!!

「THE LINE」初日イベントは、数学者の上野健爾(うえのけんじ)さんをお迎えして、上野さんと天遊さんのトークショーと、数学にまつわるミニ書ライブでした。
なぜ数学の道に入ったかという話や、現在の教育現場の話、ピタゴラスの定義で鬱病になった人たちの話、上野さんの研究されている関孝和の話、どのように和算は学ばれていたか、などなど、質問時間も設けたりして、盛りだくさんの内容でした!

数学、算数、計算、、、と聞いただけで虫酸が走る私ですが、(だってなんで○と●の距離やら面積やらを数字で表せるのかがわからない!!) 先生のお話は本当に素直に面白いな~と思いました。

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寺子屋の人たちは表彰されるでもなく、お金がもらえるわけでもないのに、関孝和を師匠として数学の問題を出し合い、考える力を磨いて行ったのだそうな。
あれ、それどこかでそんな風に書道をやっていた人たちがいたような(笑)。

上野さんにとっての数学は、真理に近づくためのものなのかな、という感じがしました。

「回答ヒントのある問題集なんて駄目だ。なんのために問題を解くんだ?自ら考える力を養うために問題を解くんだろう?だからヒントがある問題集の方が本当は不親切なんだ。」

表現方法は違いましたが、このようなことを話されていたのが印象的でした。

古代文字の書を書くのも、考える力、それを表現する力を養うため。
なにかわからないけど、真理に少しでも近づくため。

数学者と書家も、表現者は根底でつながってる。
そんなことを再確認した初日のイベントでした。

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最後にはお越し頂いたお客様に、古代文字の数字を書いていただきました!
皆様、本当にありがとうございました!! 

Posted by 門

 

09/30/2012

間もなく開催!天遊&天遊組 5th Anniversary Exhibition「THE LINE」の内側

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初めまして。ブログを書かせて頂きます、新人組員の戸澤です。

今週末行われる10月6日(土)~9日(火)展覧会の準備もラストスパートに入っています。
今回、初の展覧会参加。よくわかならい専門用語の飛び交う中、目が回りそうになりながら必死で付いて行ってます。
妥協を許さない組長&先輩組員。本気度が半端ないです。
今、付いて行くのがやっとですが、次回こそは先輩方のように動けるようになります。 

さて、作品「THE LINE」ですが、何度も形を変え、不要なものを削ぎ落とし、本質が残った作品に仕上がっています!

製作中、パズルのピースがカチッとはまるような体験を何度としました。
各自、持ち寄った文字を組み合わせLINEが繋がった時。
文字を変更したことで、より本質を表す文字とめぐり会う場面に遭遇した時。
出来上がった作品を見た時、出会った人たちが何人も重なって見え、このLINEという作品を作り出しているのだと気づいた時。
(個人的には、作品を出来上がるまでに出会った人たちが○ばかり書いていたのも、今思うと私に対するメッセージだったのかなと、笑ってしまいました)

本当に見事なまでの組み合わせで作品は創られていくのだと、改めて、どんな出会いや経験にも無駄なものがない。今はわからなくても、ピースがはまった時、経験したものの意味がわかる時が来ると感じました。 

そしてまた、展示会からも、新たなLINE紡がれる予感がします。 

是非、天遊組のLINEに繋がってください。

天遊&天遊組 5th Anniversary Exhibitionについてはこちらから

Posted by Satomi