10月11日 展覧会3日目 その2 「わ」になる
展覧会3日目。
和やかな雰囲気の中すすめられた参加型ライブパフォーマンスでは、今回展示作品としても書かせて頂いた「龠(ふえ)」という文字をお客様と一緒に書きました。
今は、あまり目にすることのない「龠」の文字は、異なる音の出る竹笛を数本束ねた“ヤク”という管楽器を吹いた時、音が調和している状態を表しています。
お客様に一本ずつ線を引いてもらうと、笛の音のように、どれも同じ線はありません。
途中、本当にまとまるのかと思われた線も、最終的に一つになり楽しい音が聴こえてきそうな作品が完成しました。
参加型ライブは、最後までどんなものになるのか、わからないドキドキ感がありますが、書き終えた後の方たちの笑顔を見ると、喜んで頂けたようでホッとしました。
皆様と一緒に作り上げるライブをやる度に、私達天遊組が活動できているのは沢山の方のご協力あってのことなのだなと思い出させられます。
Posted by Satomi
10月11日 展覧会3日目 その1
展覧会3日目には、ご来場のお客様を巻き込んでの参加型ライブパフォーマンスを行いました。
大人から子供、先生から生徒、家族も他人もみんなで一緒になって一つの字を書き上げ、アットホームにワイワイ楽しく盛り上がりました(^-^)
ご参加頂いた方々からたくさんのお声を頂きましたので、一部をご紹介させて頂きます。
「自分自身の中にある、『表現したい』というような衝動的な欲求が、この場所で昇華されたような快い経験だった」
「書く前はあれこれ考えましたが、書き始めると無心になりました。無心というより、意識が飛んでしまって、何千年前に戻ったような、空間も宇宙に行ったような、そんな不思議な時間でした」
「体が暖かくなった。楽しかった」
「前の方が書いた線と違う線を書くというのが思いの外難しく、普段いかに既成概念にとらわれているかという事に気付かせられると同時に、子供の自由な線に発想の柔らかさを感じて感心した」
など。
皆さん、無心になるほど楽しんで頂けたようで何よりです。
やはり、古代文字には人を原点に還らせるような力が秘められているような気がしました。
また、天遊組と深いご縁のある小野先生からは、こんな回文を贈って頂きました。
<美素天遊>
「てんゆう」を訓読みで「あまあそび」と読ませ、「びそあまあそび」。
さかさまから読んでも、びそあまあそび。面白い!
天遊組には現在女性が多いので、美素・・・なんだか伸び代がたくさんあるような表現にも嬉しくなります。笑
ご参加頂いた皆さん、秋のひと時を共に過ごさせて頂けたことに感謝します。
私自身、天遊組に入って1年余りとまだ日が浅いのですが、古代文字そして書を通じて多くの気付きと出逢い、儘ならないものに対峙する度に新しい境地に遭遇し、当たり前のように過ごしてきた日常の中に実は存在していたたくさんの声に、耳を傾けることができるようになりました。
新しい出逢いはいつも新しい風を吹かせてくれるんだなぁと感慨深く想うばかりです。
展覧会2日目ライブパフォーマンスの詳しい様子は、次のブログでご紹介します。
お楽しみに。
Posted by Akiko
10月10日 スペシャルライブ
今年の展覧会の山場は何と言っても10日のスペシャルライブ。
多面的アーティスト、Cュタツヤさんと、中村明日香さん、ピアニストの吉野ゆうやさんと天遊&天遊組のコラボレーション。夏からワークショップをかねた練習は数回あったものの、全員が揃うことができず、最後まで完成形が見えないライブに、「素人」の組員はドキドキ。
10日は閉門前からライブの舞台作りが始まり、静謐なお堂がどんどんと異空間化していきました。
真ん中には縄で結界を張った「場」が生まれ、照明が仕込まれていく。ほとんどリハーサルもなく、直観的にすべてが作られていきました。
準備開始から1時間半。上善堂には100名を超えるお客様がその「場」を囲み、今宵の祭りを目撃するために集中力も増してきました。
お堂の準備が進む中、境内には精霊が舞い降りました。明日香さんが境内を縦横無尽に踊り、これから始まる祭りへの期待感を上げていきます。裏では、緊張感も高まりながら、それぞれの役柄へと変身。
とても人なつこいタツヤさんも、本番に入った途端に何かが舞い降りたかの様に、眼光が鋭く、もはや違う存在に。古代文字とのコミュニケーションが始まり、タツヤさんと明日香さんのエネルギーを受けて天遊さんが白い衣に書を書く。タツヤさんがそれを纏い、天遊組のメンバーのかけ声の中で舞う。上善堂の真っ白な天井にもその大きな影が踊っていました。
文字に踊り、文字を踊り、そして文字が踊る。私たちの作品に息吹が吹き込まれる様に、踊りと声と文字とが混じり合って大きなエネルギーの塊となりました。
これまで、平面で捉えていた古代文字。このエネルギーを線で表し、そしてその祈りを封じ込めた。踊りと声が祈りそのものならば、文字を書くということはその祈りを定着させることなんだとわかった瞬間。
これまで、わからなかった「なぜ、書くのか」ということの一つの答えが舞い降りてきました。
なんだか、深いところでさざ波のような感動が湧き上がってきました。
私自身にとって、この展覧会とライブの終着点がここにありました。
なんだか、ヤバいです。今更ながら、ハマりそうで(笑)
お客様にはどんな世界が心の中に映し出されたのでしょう。
このコラボ、更に育ててゆくことになりそうです。乞うご期待。
Posted by Mana